今やネットワークを通じての業務データや文書の共有化は必須。ファクシミリやコピー機にも、従来の「ドキュメント情報を通信・複写する機能」から、「ドキュメント情報をデータ化し、共有化する機能」への進化が求められています。
村田機械の情報機器事業部では、このような現代のオフィスのニーズに応じた最適な機器・システムを提案。ファクシミリ、デジタルコピー、プリンター、スキャナーなどの多彩な機能を持つデジタル複合機をベースに、ネットワークを介したドキュメント管理を容易にするソフトウェアや、オンデマンドなコミュニケーションを実現するファイル共有ブリッジなどにより、ネットワーク化された効率的なオフィス構築を実現するソリューション事業を展開しています。
1972年、米国のグラフィック・サイエンス社と技術提携を結び、村田機械全額出資による日本デックス株式会社を設立。これが、情報機器事業のスタートです。それまで主に産業機械の領域で多角化を進めてきた村田機械にとって、未知の分野へのチャレンジでした。「同一の領域の中での多角化は、技術の相乗効果などが見込める反面、同じ景気のサイクルに巻き込まれるリスクも大きい」といった観点から、リスク分散を図る目的もあったのです。
同じ年、当時の電電公社(現NTT)がファクシミリ通信への回線開放を行うと同時に、「dex180」で電電公社の型式認可第1号を取得。日本で初めて一般公衆の電話回線を通じて情報の送受信ができるファクシミリをリリース。以来、独自の新技術を生み出すことで、市場を切り拓き続けてきました。
操作性向上を追求した開発による「製品の使いやすさ」はもちろん、省エネルギー対応など、環境への配慮にこだわった技術開発にも注力。2010年に欧米向けに発売したデジタル複合機は、米国のOA機器の独立評価機関「BLI(Buyers Laboratory Inc.)」より、稼働時・待機時の消費電力などについて、環境配慮に優れた製品として最高ランクの「5つ星」評価を受けています。
さらにファクシミリ・デジタル複合機開発で培ってきた通信技術のノウハウも大きな強み。好評を得ているファイル共有BOX型の通信ソリューション「GriDRIVE」に続き、今後は端末機器からサーバーへ、さらには用途まで広げたアプリケーションコンテンツ技術まで高めることで、得意の通信技術を最大限に発揮していきます。
情報機器事業部の海外売上比率は39.8%。販売拠点は、欧米、中国、UAEなど、世界各地に広がっています。国ごとに異なるオフィス事情をふまえた機器・システムを提供。デジタル複合機を軸に、ネットワーク技術を活かしたユニークなソリューションを、様々なオフィスへお届けしています。
「BLI(Buyers Laboratory Inc.:45年以上の間、ビジネスユーザー向けオフィス機器に対し、米国で高い信頼を得ている独立評価機関)」からの評価をはじめ、海外の評価機関からの受賞も多数。世界でその性能や品質を認められています。
複合機と通信ソリューションで5年後には売上、営業利益共に倍増という目標に向け、「レディーメイドからオーダーメイドへ」をキーワードとし、市場を切り拓いていきます。 大量生産による標準品づくりから、今後はモジュール部品を組み合わせ、さらに間口の広いカスタマイズを行うことで、OEM市場への提供などにもフレキシブルに対応していきます。また、産業機械への展開も進行中。すでに情報機器事業部が開発したネットワーク統合型サーバー基板「Information Server」が、村田機械の工作機械に組み込まれ、リモート診断に用いられています。さらに技術力を高めることで外販できる事業化を進め、5年後に産業・工場・インフラ監視市場シェア10%をめざす計画です。

